トピックス
  2008年度トピックス

リース料支払時の消費税の仕入税額控除が認められます(08.12.01)
住宅ローン控除 最大600万円に!?(08.11.04)
株式にかかる税金が変わります。(08.10..01)
個人事業主が法人成りした場合の税額比較(08.09.01)
税務調査省略通知制度が制定されます!(08.08.01)
平成19年度分の住民税の減額申告受付が始まりました(08.07.01)
遺留分に関する民法の特例が創設されます(08.06.01)
新リース会計・税制の適用が始まりました(08.05.01)
逓増定期保険の税務上の取扱いが改正されました。(08.04.01)
住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度の特例の適用期限が平成21年12月31日まで延長されます。(08.03.04)
非上場株式等に係る相続税が80%軽減されます!! (08.02.01)
研修費等の税額控除が簡単に受けられるようになります!!(08.01.15)



 所有権移転外ファイナンスリース取引については、平成19年度の税制改正で、平成20年4月1日以後に契約を締結したものについては、リース資産は売買取引とされることとなり、消費税の処理はリース料支払時ではなく、契約締結時に一括して仕入税額控除をすることとなりました。
  しかし、中小企業の会計処理については、従来と同様に、所有権移転外ファイナンスリース取引についても賃貸借処理が認められており、消費税の仕入税額控除を一括で行うと経理事務が煩雑になるとの問題点がありました。
 そこで、このたび所有権移転外ファイナンスリース取引について、会計処理に準じた処理が認められることとなりました。
 すなわち
 @会計処理が「売買処理」の場合は消費税の仕入税額控除は「一括控除」
 A会計処理が「賃貸借処理」の場合は消費税の仕入税額控除は「一括控除とリース料支払時控除
 
(以下、分割控除といいます)の選択」ができる
 ということになりました。 

<改正前>
会計上処理 仕入税額控除の時期
売買処理 一括控除
賃貸借処理

<改正後>
会計上処理 仕入税額控除の時期
売買処理 一括控除
賃貸借処理 一括控除 or 分割控除

◎注意点
@会計上「売買処理」をしている場合には、消費税の仕入税額控除は「一括控除」しか認められません。
A1つの契約でいったん「分割控除」を採用したあとに、途中から「一括控除」に変更することは認められません。
Bリース契約ごとに「一括控除」と「分割控除」を選択することは可能です。
Cいったん「分割控除」で申告したあとに、「一括控除」にしたいという更正の請求は認められません。
 先日、麻生総理大臣が景気対策の一つとして住宅ローン減税の延長と最大控除額を600万に引き上げるという政策を打ち出しました(もちろん、まだ決定ではありません)。そこで、現行の住宅ローン減税と改正された場合の住宅ローン減税の比較をしてみたいと思います。

1.平成20年に居住を開始した場合(現行の住宅ローン減税)
 (以下の控除期間を選択できます)
 控除期間 住宅借入金等の
年末残高
控除率 最高控除額/年 適用年 減税総額
10年 2,000万円以下
の部分
1.0% 20万円 1〜6年目まで 160万円
0.5% 10万円 7〜10年目まで
15年 同上 0.6% 12万円 1〜10年目まで 160万円
0.4% 8万円 11〜15年目まで

2.平成21年以降に居住を開始した場合
 ※以下の表はシミュレーションであって、法案として提出されたものではありません
 控除期間 パターン 住宅借入金等の
年末残高
控除率 最高控除額/年 適用年 減税総額
10年 @ 6,000万円以下
の部分
1.0% 60万円 1〜10年目まで 600万円
A 3,000万円以下
の部分
2.0% 60万円 1〜10年目まで
20年 B 6,000万円以下
の部分
0.5% 30万円 1〜20年目まで 600万円
C 3,000万円以下
の部分
1.0% 30万円 1〜20年目まで

 上記のとおり最大600万円の住宅ローン減税が実施された場合、現行の制度と比較して総額で440万円も減税額が増加することとなります。
しかし平成21年以降のシミュレーションのパターン@からBまでは全額その恩恵を受けられることとなる人は少なくなりそうです。

 例えばパターン@とBでは住宅ローンを6,000万円以上借入した場合のみ最大額である600万円の減税を受けることが可能となります。実際6,000万円の住宅ローンの借入をしている人は少ないでしょう。そうなると@とBの案はあまり現実的でないといえます。
 またパターンAの場合はどうでしょうか。3,000万円の住宅ローンを組む人は大勢いると思います。しかし10年間で600万円の減税を受けるとなると年間60万円の所得税を支払っている人が対象となります。妻1人子供2人のサラリーマンの場合、年収1,000万円近くもらっている人でなければ上限の年間60万円の減税を受けることができません。
 そうなると、パターンCが一番多くの人がメリットを受けられると考えられます。毎年の減税額は上限30万円ですが、20年間にわたって住宅ローン減税が受けられるというものです。

  実際にはどのようなパターンになるかは法案が提出されるまでわかりませんが、なるべく多くの人がメリットを受けられる改正となればよいと思います。
 平成20年度の税制改正により、平成21年から株式を売却したときの税金と配当等を受取った時の税金が次のように変わることとなりました。

1.株式を売却したとき
 株式を売却した時は譲渡所得となり、他の所得と分離して税金を計算します。
 譲渡所得=譲渡収入−(取得費+譲渡費用)
    ・譲渡収入 株式の売却価額
    ・取得費 株式の購入代金など(実際の購入代金に代えて売却価額の5%とすることもできます)
    ・譲渡費用 株式の購入するために要した借入金の利子でその売却の年中に支払うべきものや、売却のために支出した売却手数料など
  平成20年12月31日まで 平成21年1月1日〜平成22年12月31日
年間500万円以下の部分 年間500万円超の部分
上場株式等 譲渡所得×10%
(所得税7% 住民税3%)
譲渡所得×10%
(所得税7% 住民税3%)
譲渡所得×20%
(所得税15% 住民税5%)
非上場株式等 譲渡所得×20%
(所得税15% 住民税5%)

2.配当を受取った時
 配当等に対する課税は次のとおりとなります。
  平成20年
12月31日まで
平成21年1月1日〜平成22年12月31日
年間100万円以下の部分(注) 年間100万円超の部分(注)
上場株式等 下記税率の源泉徴収により納税が終了し、確定申告は不要。申告したほうが有利な場合は申告することもできる。

配当等×20%の申告分離課税と総合課税のいずれか選択し確定申告をする。

  株式の譲渡損と損益通算する場合は申告分離課税を選択する。
配当等×10%(所得税7% 住民税3%)が源泉徴収されます
非上場株式等 配当等×20%(所得税)が源泉徴収され、原則として確定申告をする。
配当等が少額の場合は申告しないことも選択できる。
(注)年間配当等が1万円以下の銘柄を除く

※なお、先日金融庁は、日本の金融や資本市場の競争力を強化するためには“貯蓄から投資へ”の流れの促進が重要であるとし、@日本版ISA(小口の継続的長期投資非課税制度)の創設やA高齢者投資非課税制度の導入を柱とした税制改正要望を行いました。このため、上記平成20年度改正は平成21年度改正で再度変更になることも予想されます。
(例えば、100万円以下の上場株式等の配当を非課税とするなど)
 よく、個人事業主のお客様から「いくら利益がでたら法人にしたほうがいいのだろうか」という質問を受けることがあります。
 一般的には、所得税は累進税率で法人税は固定税率(実際は累進部分ありますが)なので、その税率が交わるところで法人成りを検討してはどうかということが言われています。
 しかし、法人から役員報酬としてもらう場合には給与所得控除が適用されることや、法人にして役員報酬をいくらとるかという条件によって、税額は大きく異なってくるので「いくら利益がでたら法人にしたほうがいい」というのは一概には言えないということになります。
 下記に法人成りした場合のシミュレーションをいくつか行ってみたので、法人成りを検討されているかたは参考にしてみてください。
                      
<前提条件>
・個人事業の場合の青色控除は65万円とします。
・所得控除は基礎控除38万円のみとします。
・法人税等の実行税率は30%とします(中小企業の軽減税率があるため)。
・法人成りした場合の住民税均等割は7万円とします。

@ 利益が500万円の場合
  所得税
住民税
事業税
法人税
住民税
事業税
合計税額 節税効果
個人事業の場合 873,500 0 873,500  
法人成りして役員
報酬をもらう場合
法人の利益の全額を
報酬でもらう場合
523,500 70,000 593,500 280,000
法人に利益を
2割残す場合
363,500 370,000 733,500 140,000

A 利益が700万円の場合
  所得税
住民税
事業税
法人税
住民税
事業税
合計税額 節税効果
個人事業の場合
1,573,500
0
1,573,500
法人成りして役員
報酬をもらう場合
法人の利益の全額を
報酬でもらう場合
993,500
70,000
1,063,500
510,000
法人に利益を
2割残す場合
645,500
490,000
1,135,500
438,000


B 利益が1,000万円の場合
  所得税
住民税
事業税
法人税
住民税
事業税
合計税額 節税効果
個人事業の場合
2,684,100
0
2,684,100
法人成りして役員
報酬をもらう場合
法人の利益の全額を
報酬でもらう場合
1,817,600
70,000
1,887,600
796,500
法人に利益を
2割残す場合
1,263,500
670,000
1,933,500
750,600


※ 法人から報酬(給与)としてもらった場合は、給与所得控除が利用できる部分が個人事業の場合より、有利となります。
※ 資本金1,000万円未満の場合、消費税が2年間免税となります。
※ 法人の場合は生命保険金等の掛金が税務上認められた金額ならば限度額なく損金に算入できます(個人事業の場合は生命保険で年間5万円(従業員の福利厚生等例外あり))
※ 法人の場合は従業員が1人でも社会保険の適用事業者となります(個人事業の場合は5人)。

 税理士法第33条の2第1項または第2項に規定する書面添付制度が下記のように変わることとなりそうです(日本税理士連合会と国税庁で合意に達しました)。

1.様式関係

 @ 添付書面の様式に税務署の収受印欄を設ける
 A 添付書面の様式の「3 計算し、整理した主な事項」又は「3 審査した主な事項」欄の記載要領を改正する
 B 添付書面の様式の「3 計算し、整理した主な事項」又は「3 審査した主な事項」欄にできるだけ多くの内容が記載できるようにする

2.税務調査省略通知関係

 記載内容が良好な添付書面について、意見聴取後、税務調査省略を行った場合には、
 文書による税務調査省略通知を行う
 
 (注)ただし、次の場合には税務調査省略通知の対象とはなりません
  ・記載内容が良好でない添付書面について、意見聴取後、税務調査省略を行った場合
  ・記載内容が良好な添付書面であっても、意見聴取を行わない場合

 平成13年の税理士法改正で制定された書面添付制度ですが、その普及率が低いので、普及・定着を目指して、今回の改正となったようです。

  当事務所では法人税、相続税の申告については100%書面添付を行っています(所得税については事業や譲渡の申告等複雑な案件で補足説明が必要な場合に添付しています)。
  税務調査省略制度に興味のある方や書面添付制度を採用したいと考えている方は、お気軽にご相談ください。

 平成19年度分の住民税(市・県民税)における減額申告が平成20年7月1日(火)から始まりました。対象となる方は平成18年には所得税が課税されていたが、平成19年に所得が減って所得税が課されなくなった方です。この要件に該当する方は7月1日から7月31日までの間に市区町村の役所に申告をすることにより平成19年度分の住民税(市・県民税)の還付を受けることができます。

◎ どうして還付を受けることができるのか
平成19年に所得税と住民税の税率が改正になったために(今回の申告該当者の場合、所得税率が下がって、住民税率が上がった)、上記の要件に該当する人は、通常より多額の住民税を納付することとなってしまっていたために、今回限り、このような制度が設けられました。また、所得税はその年の所得に対して同じ年に課税されるのですが、住民税(市・県民税)はその年の所得に対して翌年課税されてしまうので、この課税時期のズレによって多く住民税を納付していたこととなり、還付を受けることができるようになりました。
 
◎ 具体的な計算例(わかりやすくしているので実際の税額とは若干異なります)
<前提条件>
平成18年の給与収入⇒158万円、平成19年の給与収入⇒90万円(18,19年とも所得控除は基礎控除のみ)

■還付が受けられるかどうかの判定
<平成18年の所得税>
・課税所得金額⇒158万円−65万円(給与所得控除)−38万円(基礎控除)=55万円
・税額⇒55万円_10%=55,000円
<平成19年の所得税>
・課税所得金額⇒90万円−65万円(給与所得控除)−38万円(基礎控除)<0円
・税額⇒0円

∴平成19年度の所得税が課されないので、平成19年度分の市・県民税における減額申告の要件を満たします

■還付額の計算
<平成19年の改正後税率の住民税(市・県民税)(すでに納付済み(平成18年の所得で計算))>
・課税所得金額⇒158万円−65万円(給与所得控除)−33万円(基礎控除)=60万円
・税額⇒60万円_10%=60,000円+4,000円(均等割)=64,000円…(1)
<平成19年の改正前税率の住民税(市・県民税)(平成18年の所得で計算)>
・課税所得金額⇒158万円−65万円(給与所得控除)−33万円(基礎控除)=60万円
・税額⇒60万円_5%=30,000円+4,000円(均等割)=34,000円…(2)

 つまり住民税の税率改正により (1)−(2)=30,000円 を多く納付していたこととなるので、この金額が還付されることとなります。平成19年の所得税は0円なので税率が下がったメリットを受けられないために、このような還付が受けられることとなります。

 該当する方には市区町村から申告書が送られてくるので、忘れずに期間内に申告をしてください。
 平成20年5月9日に「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案」が成立しました。
 この法律案で注目されるのは「遺留分に関する民法の特例」です。法案には「一定の要件に該当する中小企業で一定の要件に該当する中小企業で後継者となる者が旧代表者から相続等する株式の価額は民法に定める遺留分に含めないこととする旨を相続人間で合意することが出来る」とあります。
 この遺留分の特例は経済産業大臣に確認を得た後に、家庭裁判所の許可を受けて効力が生ずると規定されています。
 この「遺留分に関する民法の特例」と「非上場株式等に係る相続税の80%納税猶予」により中小企業の自社株対策の選択の幅が広がることとなりそうです。
 ただし、株式を遺留分から除外するには「相続人全員の同意が必要」となるので、相続開始後に相続人間で遺産分割協議をするのと「相続人全員の同意を得なければならない」という点ではあまり変わりはありません。それでも、生前から自社株の問題について相続人間で検討するということを推進するには非常に良い法案だと思います。
 もし、相続人全員の同意を得られず「遺留分に関する民法の特例」の適用を受けることができなくても、その他に下記のような方法で自社株対策を生前から検討していくことができます。

@ 自社株は遺留分を侵害しない程度に各相続人に相続させるが、会社の後継者には黄金株を付与して経営権は後継者に集中させる
A 自社株は後継者のみに相続させてその他の相続人には代償財産で手当てする。自社株の遺留分が問題になるケースではすぐに流動化できる代償財産がない場合がほとんどなので代償財産を定期金(分割払い)として支払う等の方法を検討する
B 従業員持株会を設立して配当還元価額で自社株を持株会に譲渡して現オーナーの所有株式の価額全体を引き下げる

  今回の法案が成立したことにより、自社株対策の選択肢も広がることとなりそうです。なお、経営承継円滑化法は平成20年10月1日から施行されますが、遺留分に関する民法の特例は「公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行」と定められているため、経営承継円滑化法が施行される10月1日より、若干遅れて適用されることとなりそうです。
平成20年4月1日から新リース会計・税制の適用が始まりました。ファイナンスリース取引については原則売買処理となり、オペレーティングリース取引については従来通り賃貸借処理を行うこととなります。

<改正の概要>

  リース取引の区分 改正前 改正後
@ ファイナンス
リース取引
所有権移転ファイナンスリース取引 売買処理
A 所有権移転外ファイナンスリース取引 賃貸借処理 売買処理
B オペレーティング リース取引   賃貸借処理

■ ファイナンスリース取引とは
事実上中途解約不能で、借手が物件を所有するのと同様の経済的利益を享受し、コストを負担する(フルペイアウト)契約をいいます(リース会計基準5項)。つまり、リース資産を使用しているが、自社で所有している場合と同様の効果および費用が発生している取引をいいます。
* 所有権移転ファイナンスリース取引とは
 所有権移転条項、割安購入選択権、特別仕様のいずれかのリース取引に該当するもの(リース会計適用指針10項)、これに加えて税務上の要件でリース期間が目的資産の法定耐用年数に比して相当に短いもの(法令48の2D五)が所有権移転ファイナンスリース取引となります。
* 所有権移転外ファイナンスリース取引とは
上記の所有権移転ファイナンスリース取引以外のファイナンスリース契約が所有権移転外ファイナンスリース取引となります。

■ オペレーティングリース取引とは
ファイナンスリース以外のリース取引をいいます(リース会計基準6項)。

<補足事項>
@中小企業については「所有権移転外」ファイナンスリース取引についても賃貸借処理が認められます(中小企業会計指針)。
Aリース期間が1年以内のリース取引、企業の事業内容に照らして重要性の乏しいリース取引で、リース契約1件あたりのリース料総額が300万円以下のリース取引については賃貸借処理が認められます。
Bファイナンスリース取引にかかる消費税は、賃借人がリース資産の引渡しを受けた日の属する課税期間において,そのリース料総額(または利息相当額が契約で明示されている場合には利息相当額を控除した後の金額)を課税仕入として一括して仕入税額控除を行うこととなります。

* 現在のリース契約の大半が所有権移転外ファイナンスリース取引である現状を考えると今回の改正は大きな改正であるといえるでしょう。中小企業については所有権移転外ファイナンスリース取引について引き続き賃貸借処理が認められるので影響はないように思われますが、消費税の取扱いが変更になったので注意が必要となります。
逓増定期保険の税務上の取扱いが改正されました。加入後相当期間の保険料が「前払費用」の性格を有するとのことで下記のとおり損金算入の要件が厳しくなるように改正されました。

<改正の概要>

  資産計上区分 改正前 改正後
@ 1/2資産計上する場合
(保険期間の60%に
  相当する期間まで)
保険期間満了時の年齢が60歳を超え、かつ「加入時年齢+(保険期間×2)>90」であるもの(ABにあてはまるものを除く) 保険期間満了時の年齢が45歳を超えるもの(ABにあてはまるものを除く)
A 2/3資産計上する場合
(保険期間の60%に
  相当する期間まで)
保険期間満了時の年齢が70歳を超え、かつ「加入時年齢+(保険期間×2)>105」であるもの(Bにあてはまるものを除く) 保険期間満了時の年齢が70歳を超え、かつ「加入時年齢+(保険期間×2)>95」であるもの(Bにあてはまるものを除く)
B 3/4資産計上する場合
(保険期間の60%に
  相当する期間まで)
保険期間満了時の年齢が80歳を超え、かつ「加入時年齢+(保険期間×2)>120」であるもの

新通達の適用は平成20年2月28日以後に契約したものからとなります。平成20年2月28日より前に契約したものについては遡って適用されることはないので、既に全額損金算入の逓増定期保険に加入されている方は引き続き全額損金算入が可能となります。

マイホームを購入するときに両親から購入資金の贈与を受ける方も多いかと思いますが、そのときに問題になるのが贈与にかかる税金です。しかし今回の特例延長により引き続き3,500万円までは無税で住宅取得等資金の贈与を受けることができることとなる見込みです。

<贈与税の申告方法の比較>
*Bが今回延長される特例です。住宅取得等資金の贈与であれば3,500万円までの贈与ならば贈与税がかかりません。

  @ 暦年課税制度 相続時精算課税制度
A 通常の場合 B 住宅取得等資金の場合
贈与税の
かからない
金額
110万円 2,500万円 3,500万円
贈与する人 制限なし 65歳以上 制限なし
贈与を
受ける人
制限なし 20歳以上の
推定相続人
20歳以上の
推定相続人
税率 *110万を超えた金額に対して
・200万以下 10%
・300万以下 15%-10万
・400万以下 20%-25万
・600万以下 30%-65万
・1,000万円以下 40%-125万
・1,000万円超 50%-225万
2,500万を超えた
金額に対して

一律 20%
3,500万を超えた
金額に対して

一律 20%
対象となる
財産
制限なし 制限なし 住宅取得等資金
(新築・中古・増改築)
メリット ・相続開始から3年より前に贈与を受けた財産は相続税の課税価格に算入されない(毎年110万円ずつの贈与等に向いている)
・相続税のかからない人にとっては2,500万円までなら一切税金がかからない
・自社株や土地など将来値上がりが予想されるものについては贈与時の価額で相続税の課税価格が計算されるので相続税の節税対策となる
・相続税のかからない人にとっては3,500万円までなら一切税金がかからない
デメリット ・110万円を超えた財産価額については累進で税金がかかる(最高税率は50%) ・相続税のかかる人にとっては相続税申告のときに贈与財産が贈与時の価額で相続税の課税価格に算入される(必ずしもデメリットではない)
・一度相続時精算課税制度を選択したらその後は暦年課税制度で申告することができない。

<住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度の特例を受けるための要件>
@ 贈与を受けた人は住宅取得等資金を取得した日の属する翌年の3月15日までにその全額を家屋の取得又は一定の増改築に充てて、その家屋を同日までに居住の用に供することまたは遅滞なく居住の用に供しなければなりません。
Aこの特例の適用を受けるためには、贈与税の期限内申告書(贈与を受けた翌年3月15日までに提出)にこの特例を受ける旨を記載するとともに、相続時精算課税選択届出書、住民票の写し、登記事項証明書、耐震基準適合証明書など一定の書類を添付しなければなりません。
*その他取得する家屋の要件等細かい要件がありますのでご不明な点はご相談ください

事業承継の際の障害の一つである相続税負担の問題を抜本的に解決するため、非上場株式等に係る相続税の軽減措置について、現行の10%の減額から80%の納税猶予(一定の要件を満たせば最終的には納税が免除)に大幅拡充することとなる見込みです。

<改正の概要>
  改正前 改正後
軽減措置 10%減額 80%納税猶予
対象会社 発行済株式総数
20億円未満の会社
中小企業基本法上の中小企業
※株式総額要件は撤廃
軽減対象の上限 相続した株式のうち、発行済株式総数の2/3又は評価額10億円までの部分のいずれか低い額 限度額は撤廃
※但し、発行済議決権株式総数の2/3以下の限度あり

* 被相続人の要件
(1)会社の代表者であったこと
(2)被相続人と同族関係者で発行済株式総数の50%超の株式を保有かつ同族内で筆頭株主であった場合

* 相続人の要件
(1)会社の代表者であること
(2)相続人と同族関係者で発行済株式総数の50%超の株式を保有かつ同族内で筆頭株主となる場合
* 納税が免除されるための要件
(1)相続税の申告期限から5年間事業を継続すること
・5年間代表者であること、雇用の80%を維持すること、相続した株式を継続保有することが要件となります。

今回の改正は今まで自社株対策に頭を悩ませていた中小企業のオーナー様には朗報であるといえます。しかし、上記のとおり株式保有要件等を満たさなければ80%減額の適用を受けられなくなってしまいますので慎重に株式異動を検討していく必要があります。自社株対策で悩まれている社長様、ぜひ一度ご相談ください。

中小企業の生産性向上・成長・底上げのためには人材投資の加速が不可欠といわれています。そこで中小企業については研修費等(教育訓練費)の税額控除が簡単に受けられるようになる見込みです。

<改正の概要>
(改正前)⇒教育訓練費の増加が要件
(改正後)⇒教育訓練費の増減に関わらず利用可能に!(過去2年間との比較が不要に!)
   ・教育訓練費の総額の8%〜12%に相当する額を税額控除します。
注)資本金1億円以下等の要件を満たした中小企業者等のみ適用可能となります。
* 税額控除率
・控除率(%)=8%+(教育訓練費/労働費用−0.15%)×40
 (12%が上限)
※ 労働費用=給与+法定福利費+教育訓練費
⇒ つまり労働費用に占める教育訓練費の割合が0.15%以上の場合に適用があることとなります。



* 教育訓練費にはどんなものが含まれるか
(1)自社主催研修の場合⇒外部講師の報酬、施設代・設備代、教科書等の購入費など
(2)外部委託研修の場合⇒講師報酬、施設・設備代、教科書等の購入費など
(3)その他⇒外部研修の受講料、留学の授業料、検定試験の受験手数料、通信教育の受講料など
※ 対象者は正社員、契約社員、パート、アルバイトとなります(役員等は不可)