欠損金の繰越控除制度の見直し
今月は平成28年度税制改正より欠損金の繰越控除制度の見直しについてご紹介させていただきます。
繰越期間の延長の延期
平成27年度税制改正で、青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間が10年(現行9年)に延長されました。平成27年度税制改正では、適用事業年度は平成29年4月1日以後に開始する事業年度から適用される予定でしたが、平成28年度税制改正では1年先延ばしとなり、平成30年4月1日以後に開始する事業年度から適用されることになりました。
<th平成29年度平成30年度
内容 | 平成27年度 | 平成28年度 | 平成29年度 | 平成30年度 | |
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繰越期間 | 現行 | 9年 | 9年 | 10年 | 9年 |
改正後 | 9年 | 9年 | 9年 | 9年 |
控除限度額の段階的な引下げ
平成27年度税制改正で、欠損金等の控除限度額が平成27年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する事業年度については所得金額の65%、平成29年4月1日以降に開始する事業年度については所得金額の50%に引き下げられることになりました。平成28年度税制改正では、企業経営への影響を平準化するために、毎年5%ずつ引き下げることになりました。なお、中小法人等について変更はなく、従来通り所得金額の100%控除することが可能となります。
内容 | 平成27年度 | 平成28年度 | 平成29年度 | 平成30年度 | |
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控除限度割合 | 現行 | 65% | 65% | 50% | 50% |
改正後 | 65% | 60% | 55% | 50% |
担当:高橋 将史