小規模企業共済と経営セーフティ共済(倒産防止共済)の比較
3月になりました。今月は個人事業主の方からよく相談を受ける小規模企業共済と経営セーフティ共済の比較について紹介させていただきます。確定申告時期で加入を検討される方も多いと思いますので参考にしていただけたらと思います。
※下記比較は個人を前提に記載しています(所得区分など)
小規模企業共済 |
経営セーフティ共済 (倒産防止共済) |
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加入者名義 | 個人名義(法人の役員、個人事業主) | 法人、個人事業主 |
加入資格 |
■サービス業、卸売業、小売業、士業法人→従業員5人以下 ■その他の業種→従業員20人以下 |
■1年以上事業を継続していること ■法人の場合·資本金5,000万円~3億円以下(業種による) |
掛金の 取扱い |
個人の所得控除 | 事業の経費に計上 |
掛金の金額 |
月1,000円~70,000円 (年間最大84万円) |
月5,000円~20万円 (年間最大240万円) |
支払方法 |
個人名義の口座から毎月振替 (年払い(前納)も可) |
個人名義の口座から毎月振替 (年払い(前納)も可) |
解約金の 取扱い |
① 65歳未満のときに解約する※任意解約 → 一時所得(1/2課税) ② 65歳以上になって解約する → 退職所得(控除あり) ③ 解約金を分割で受け取る → 雑所得(控除なし) ※損益通算不可 |
事業所得 |
解約時の 注意点 |
(任意解約の場合) 加入期間が20年未満だと元本割れ |
加入期間が3年4か月以下だと元本割れ |
貸付制度 |
あり ■無担保·無保証 ■支払った掛金の70%~ ■金利年1.5%(金融情勢により変動) |
あり ■無担保·無保証 ■支払った掛金の70%~ ■金利年0.9%(金融情勢により変動) |
その他 注意点 |
●掛け止めはできない(廃業したら自動解約) ●解約金はタイミングと受け取り方法によって、税金のかかり方が違う (退職所得が一番得) ●元本割れをしていても、それまでに節税できた金額を考慮すると、単純に損をするわけではない |
●掛金月額の40倍(または800万円)に達したら、掛け止め可能(半永久的) ●解約金は全額、事業の利益に。 ⇒そのままだとその分税金がかかる (所得税は、所得が高くなるほど税率が高くなるので、 掛金を支払っているときより高い税率になる可能性がある) |
※小規模企業共済は、個人事業の廃業(どこかの会社に雇用されるなど)で受け取るのであれば、5年未満でも元本割れすることはありません。
担当:橋本 拓也