令和6年度税制改正大綱(自由民主党・公明党)
自由民主党、公明党両党が令和5年12月14日に「令和6年度税制改正大綱」を発表しました。下記に税目ごとのポイントをまとめました。
1.法人税
項目 | 内容 | 適用時期 |
賃上げ促進税制
(中小企業の
ケース) | 給与等の支給額が増加した場合の税額控除制度について、以下のとおりの拡充を行う ①最大の税額控除率を45%に拡充する(現行40%) ②税額控除が限度額を超えた場合、5年間の繰越が可能となる(適用する事業年度において、雇用者給与等支給額が前年度を超える場合に限る)
適用要件 |
適用年度の雇用者給与支給額≧比較雇用者給与等支給額×101.5% |
控除率 |
給与の増加割合 |
1.5%以上 |
15% |
2.5%以上 |
30% |
上乗せ加算 |
教育訓練費の増加割合が5%以上かつ雇用者給与支給額の0.05%以上 |
10%加算 |
くるみん・えるぼし認定等 |
5%加算 |
最大控除率 |
45% |
控除限度額 |
法人税の20% |
控除限度超過額の繰越 |
5年間の繰越可 |
|
R6.4.1~R9.3.31
開始事業年度 |
外形標準課税に
おける対象法人
の見直し | 外形標準課税の対象法人について、現行基準(資本金1億円超)に加え、以下の追加基準を設ける。
前事業年度に外形標準課税対象法人であって、当該事業年度に資本金1億円以下で、資本金及び資本剰余金の合計額が10億円を超えるものは、外形標準課税対象となる。
また、資本金と資本剰余金の合計額が50億円を超える法人の100%子会社についても一定の場合、外形標準課税対象となる。 | 令和7年4月1日~ |
2.所得税
所得税・住民税の
定額減税 | 令和6年6月以降、以下のとおりの定額減税を行う
<控除の額>
所得税 |
・本人 3万円
・同一生計配偶者又は扶養親族(居住者)1人につき3万円 |
住民税 |
・本人 1万円
・控除対象配偶者又は扶養親族(居住者)1人につき1万円 |
<控除の方法(給与所得者)>
所得税 |
・令和6年6月1日以後最初に支給される給与等(賞与を含む)の源泉徴収税額から特別控除の額を控除する
・6月に控除しきれなかった額は、7月以降順次控除する |
住民税 |
・令和6年6月の給与支給時には特別徴収は行わず、特別控除の額を控除した後の個人住民税の額の11分の1の額を、令和6年7月から令和7年5月まで、それぞれ給与を支給する際毎月徴収する |
<控除の方法(事業所得者)>
所得税 |
・令和6年分の所得税に係る第1期分予定納税額から本人分に係る特別控除の額(3万円)を控除する。なお、申請により同一生計配偶者等の特別控除も控除できるようにする。
・第1期分から控除しきれなかった額は第2期分から控除する。
・最終的に令和6年分の所得税の確定申告において、所得税額から特別控除の額を控除する。
※第1期分予定納税の納期を令和6年9月30日とする(現行:7月31日) |
住民税 |
・令和6年度分の個人住民税に係る第1期分の納付額から特別控除の額を控除する
・第1期分から控除しきれなかった額は、第2期分以降から順次控除する |
<留意点>
・合計所得金額が1,805万円を超える場合は特別控除の額は控除されない(所得税:令和6年度、住民税:令和5年度)
| 令和6年6月1日~ |
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3.相続税・贈与税
特例承継計画の
提出期限延長 | 非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予の特例制度について、特例承認計画の掲出期限を2年延長する。 | 令和8年3月31日
まで |
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住宅取得資金
贈与非課税
措置の延長 | 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度を3年延長する。 <非課税枠> ・省エネ等住宅の場合:1,000万円 ・それ以外の住宅の場合:500万円 | 令和8年12月31日
まで |
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